ラグナロクオンライン プロジェクト

プロジェクト事例

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ゲームの中の存在が、“いま”あなたの配信画面で動き出す——。

長く愛されるIPの魅力を、いまのメディア環境で再び輝かせる。
本プロジェクトでは、Live2D による VTuber モデルを制作し、ファンがキャラクターと“もう一度出会う”体験を設計しました。
 
今回の VTube Studio 対応 Live2D モデルは、ラグナロクオンラインの人気キャラクターに新たな“命”を宿す表現です。
ゲーム内グラフィックとは一線を画す、立体感と感情を備えた表現として設計しました。

プロジェクト概要

ラグナロクオンライン公式ダウンロードパッケージの特典として配信されたVTubeStudio対応Live2Dモデルの制作を、SophiaRealは2022年より継続的に支援しています。
本件は同モデルを中核とした制作で、公開状況を見ながら細かな違和感を取り除く微修正を継続し、運用前提で品質を磨いてきました。

本プロジェクトでは、単発のモデル制作にとどまらず、年を追うごとに塗り・構造・表情演出の技術を進化させるという挑戦を続けてきました。
 
2D イラストのキャラクターが配信や動画の中で自然に動き、感情が伝わるように、
塗り(厚み・陰影のコントロール)/構造/表情・視線・口形/モーションの見え方段階的に最適化
2D イラストの魅力と“らしさ”を損なわないことを前提に、VTuber の配信画面という現場での自然さを最優先し、多くの工夫と試行錯誤を重ねました

体験設計(The Blueprint)

まず、キャラクターの世界観・性格・口調を整理し、視聴者が「このキャラらしい」と自然に感じる振る舞いの要件を定義しました。
配信というフォーマットでは、画角・距離・尺が体験の印象を大きく左右します。そこで、表情の変化幅、まばたきの頻度、視線移動のレンジ、口形(あ・い・う・え・お)の見え方などを、画面上の可読性から逆算して設計。
“いつものあのキャラが、いま目の前で呼吸している”と感じられるよう、過剰演出に頼らず、しかし物足りなさも出さないバランスを取りました。

実装と仕上げ(The Engine)

実装工程は、作画(厚塗りベース)→パーツ分解パラメータ設計複合モーションの順で構築。
厚塗りの質感を活かすため、陰影のレイヤリングやエッジの立て方を調整し、2D でありながらボリューム感が伝わるよう工夫しました。
VTube Studio では、顔トラッキング中心の仕様を前提に、首・体・肩の揺れが過剰にも不足にもならないレンジで応答するようパラメータを詰めています。
運用面では、基本動作のガイド(推奨する表情・避ける挙動)を簡潔に整理し、現場での取り回しを軽くしました。配信者側の操作負荷を下げることが、継続活用の鍵だと考えたためです。

塗りの進化:見た目の「質感」をデザインする

フェーズ別の進化:

Live2Dモデルにとって「塗り」は単なる見た目ではなく、動きに説得力を持たせる仕組みです。 

制作初期のモデルでは“動かすための分割”が主目的でしたが、現在では“動いたときに魅力が最大化されるイラスト設計”へと進化。
その転換点が、厚塗りによる高密度な描写でした。

年度

塗りスタイル

2022

ライトグラデ塗り

ゲーム内グラフィックに近い影控えめの塗り。Live2D化にあたり、見映えのためのわずかなグラデーションを追加。

2023〜現在

厚塗りベース

光と影をしっかり描き込むことで、キャラが“動いたときの立体感”を演出。髪や衣装の重なり、肌の凹凸感までも表現。

2022年

ライトグラデ塗り

ゲーム内グラフィックに近い影控えめの塗り。Live2D化にあたり、見映えのためのわずかなグラデーションを追加。

2023年〜

厚塗りベース

光と影をしっかり描き込むことで、キャラが“動いたときの立体感”を演出。髪や衣装の重なり、肌の凹凸感までも表現。

塗りは見た目だけでなく「動きの説得力」を左右します。
制作初期は“動かすための分割”が主目的でしたが、現在は“動いたときに魅力が最大化されるイラスト設計”へ。厚塗りによる高密度な描写が転換点でした。
 
 

VTube Studio仕様 × 制作ノウハウ

フェーズ別の進化:

Live2Dモデルにとって「塗り」は単なる見た目ではなく、動きに説得力を持たせる仕組みです。 

制作初期のモデルでは“動かすための分割”が主目的でしたが、現在では“動いたときに魅力が最大化されるイラスト設計”へと進化。
その転換点が、厚塗りによる高密度な描写でした。

技術的な制限と、それに対するアプローチ

  • VTubeStudioは顔のトラッキングが主機能
  • 体や手の動き、細かな表情変化は「モデル設計と操作」で表現する必要あり

ソフィアリアルが採用した設計戦略

  • 体全体を構造化する設計
    • 肩や腕の動き、衣装や髪のなびき、アクセサリの揺れなども反映
  • キーバインドによる複合モーション
    • 表情切替+手の動きなどを、ボタン操作で再現
  • 影の表現最適化
    • 2Dでは影が動かないため、動くパーツに応じてレイヤーを分割、不自然な影は意図的に除去。動きと影の整合性を保つように設計。

VTube Studio の特性を前提に、配信現場で破綻しない挙動と操作性をルール化しました。

・顔トラッキング中心の仕様に合わせた首・肩・体のレンジ最適化
・キーバインドで「表情+手・小物」などの複合アクションを設計
・2D特有の“動かない影”への対処(レイヤー分割/意図的な影の整理)
・推奨オペレーションの簡潔なガイド整備(現場の取り回し軽減)

仕上がりと継続改善(Micro-improvements)

完成したモデルは、静止画として見たときの“作品らしさ”と、動かしたときの“生っぽさ(ライブ感)”を両立しています。
初期版のライトな質感から、段階的に厚みのある塗りへ移行することで、配信画面上でも存在感が損なわれない仕上がりになりました。
また、「まばたき→視線→口形」の三点セットを同時最適したことで、短いカメラワークや不意の動きでも破綻しにくい見え方を確保。こうした小さな改善の積み重ねが、“再会感”の密度を高めています。
 

モデル制作を重ねるごとの「こっそり進化」

パッケージ

特徴

初期

最小構造、シンプルな表情、必要最低限の動き

中期

キーバインドによる演出導入、装飾品の動きや表情バリエーション拡充

現在

複合アクション対応、全身モーション構造、塗り・立体感の強化

毎回少し良くなっている

“派手な進化”ではなく、“毎回少しずつ良くなっている”
それがこのプロジェクトの誠実な歩み方です。

すぐには気づかれないかもしれませんが、「あれ? 今回のモデル、なんだかすごくよい感じだな」と思っていただけるような、静かだけれど確かな進化を私たちは大切にしています。

プレイヤーが体験できる「もうひとつの再会」

ラグナロクオンラインのキャラクターたちは、プレイヤーにとってかつて共に旅をした仲間であり、今も冒険を続けている存在かもしれません。
そんなキャラクターたちが、VTuberモデルという新しい姿で、もう一度目の前に現れる——それが今回のLive2Dモデル制作の意義のひとつと私達は考えています。

表情が変わり、まばたきをし、軽く首をかしげる
視線が合ったとき、ふと笑うような気がする
それが「また会えた」という感覚を生む

プレイヤーの声に応えるキャラクターたちは、かつての思い出と、今この瞬間をつなぎ直してくれる“もうひとつの冒険のかたち”なのかもしれません。

まとめ

Live2DとVTubeStudioを用いて、キャラクターが“目の前で生きているように感じられる感情モーション”を持ったモデルをつくる。
それは、グラフィック技術の話ではなく、感情を届ける表現方法の話です。

画面をクリックすると動画が再生され、BGMが流れます。
再生時は音量にご注意ください。

私たちソフィアリアルは、イラストを動かすのではなく、

「人の心に届く感情モーションをつくる」
という姿勢でLive2DによるVtuberモデル制作と向き合っています。

 

”派手な進化”ではなく、“毎回少しずつ良くなっている”

それがこのプロジェクトの誠実な歩み方です。 

プレイヤーの方が気づかなくても、「あれ? 今回のモデル、なんだかすごく自然だな」と思っていただけるような、積み重ね型の進化を私たちは大切にしています。

※本ページで使用されている画像および名称は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社およびGravity社の著作物です。掲載にあたっては関係各社の許諾を得ています。

 

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