国産材を、世界の高品質空間へ。
高付加価値内装材の海外事業開発。森林資源と木材加工の強みを、海外で選ばれる商品へ。国産材の価値を見つめ直し、商品づくりから市場、顧客、届け方までを組み立てた海外新規事業です。
素材の良さだけでは、海外での採用は決まらない。
国内に森林資源を持ち、木材加工までを手がける事業者と取り組んだ、海外向け新規事業の立ち上げです。
ヒノキやスギをはじめ、日本で育てられた木には、香りや木目、木肌など、樹種ごとに異なる魅力があります。加工や仕上げまで含めれば、室内空間でその良さをさらに引き出すこともできます。
プロジェクトの出発点は、こうした国産材の強みを活かし、海外に新しい市場をつくることでした。
ただ、私たちはすぐに販路探しへ進むべきではないと考えました。良い木があることと、海外の建築家やデザイナーが、その木を選ぶことは別だからです。
何を価値として伝えるのか。どんな商品なら使ってもらえるのか。誰が選び、どのように採用が決まるのか。木材そのものではなく、「使われる場所」から考え直すことが、この事業のスタートになりました。
「良い木」を、設計者が仕様に書き込める商品へ。
国産材の価値を整理していくなかで、一つの方向がはっきりしてきました。一般的な木材と同じ土俵で価格を競うのでは、この素材が持つ魅力を十分に活かせない。
一方で、香りや木目、質感、仕上がりまで含めて空間の質が問われる領域なら、国産材ならではの特徴を価値として届けられます。ここから、事業の考え方を変えました。
木材を海外へ輸出するのではなく、海外の設計者が具体的な案件で採用できる内装製品として届ける。
ヒノキの香りや木肌、スギの木目や軽さなど、樹種ごとの特徴を整理し、乾燥、選別、寸法、加工、表面仕上げまでを商品づくりの中に組み込みました。壁・天井の意匠材やルーバーなど、素材の表情が空間の中で活きる用途へ。
さらに、英語の製品情報や仕様、サンプルを用意し、対象市場で求められる規格や性能条件も確認しながら、「魅力的な日本材」という評価で終わらず、設計者が比較し、仕様に書き込み、採用を判断できる状態まで整えていきました。

Aroma / Grain / Texture
香り、木目、木肌。樹種ごとの違いを、まず素材そのものの魅力として捉える。
Quality / Processing / Finish
乾燥、選別、加工、仕上げ。素材の個性を、安定して使える商品へ変える。
Space / Differentiation / Specification
どんな空間で、なぜこの木を選ぶのか。採用される理由まで商品価値としてつくる。
森林資源と木材加工の強みを、海外で選ばれる商品へ。
国産材の価値を見つめ直し、商品づくりから市場、顧客、届け方までを一つの事業としてつないでいきました。

「日本の木」ではなく、選ばれる理由から考える。
最初に行ったのは、保有する森林資源や加工技術をそのまま海外へ当てはめることではありませんでした。
樹種ごとの特徴を整理しながら、海外の建築・インテリア市場で、どのような素材が、どんな空間で、なぜ選ばれているのかを重ねて見ていきました。
そのなかで見えてきたのが、価格を中心に選ばれる領域ではなく、素材感や意匠性、加工品質そのものが評価される領域です。
「日本の木だから」ではなく、誰が、どの特徴に価値を感じ、どんな空間で使いたいと思うのか。そこまで掘り下げることで、狙うべき市場と商品の方向を定めました。

売りやすい形ではなく、使いやすい形にする。
次に考えたのは、「何を輸出するか」ではなく、「どんな状態なら実際の設計で使ってもらえるか」でした。
丸太や一般的な製材のまま届ければ、現地で用途を考え、加工し、品質を確認する手間が残ります。そこで、付加価値を日本側でつくる方針を取りました。
乾燥や品質選別を行い、用途に合わせて寸法や加工方法、表面仕上げを決める。樹種の特徴を活かしながら、壁・天井の意匠材やルーバーなど、空間の中ですぐに検討できる商品へ仕立てていきました。
同時に、対象市場で求められる規格や性能表示、施工時に確認される条件も整理し、素材の魅力だけでなく、実際に採用できる商品として成立するかを詰めていきました。
木そのものを売るのではなく、使えるところまで商品にする。それが、海外で価格以外の理由から選ばれるために必要だと考えたのです。

市場の大きさより、商談が前に進む場所を選ぶ。
商品だけを整えても、事業にはなりません。そこで市場選定では、規模の大きさだけを見るのではなく、実際に商品を提案し、採用まで進められるかを重視しました。
英語で商談ができ、仕様を確認しながら設計の話ができること。そして、素材や空間の質に対して対価が支払われること。
こうした条件から、ホテルや商業施設など、素材そのものが空間の価値につながる建築・インテリア領域へ狙いを絞りました。
建築家、インテリアデザイナー、内装事業者、現地パートナーなど、採用に関わる人たちも整理。誰に、どの段階で、何を見せるべきかを考え、商品サンプルの見せ方から、英語の製品情報、仕様資料、提案資料、顧客へのアプローチ方法までを実際に形にしていきました。
商品が決まったところで終わらせず、実際の商談が始まるところまでつなげる。そこまで進めて、初めて新規事業として動き出せると考えたからです。
この事例で組んだ専門性とフェーズ
案件内容に合わせ、主に担った領域を色付きで示しています。薄いセルは、この事例では主対象としていない範囲です。
国産材の価値整理から商品設計、市場選定、規格・性能条件の確認、サンプル・英語仕様資料・提案資料の制作、商談開始までを一体で支援した範囲です。
「海外に売りたい」という構想から、実際に商談できる事業へ。
プロジェクトの始まりにあったのは、国産材の品質と加工技術を活かし、新しい海外市場をつくりたいという構想でした。
そこから、樹種ごとの価値を見直し、使われる空間から商品を考え、狙う顧客や市場、届け方までを一つにつないでいきました。
出来上がったのは、海外展開のための計画書だけではありません。
具体的な内装製品とサンプル、英語の仕様資料を携えて、海外の建築家や内装事業者への提案を開始。現地パートナーとの商談に加え、具体的な空間への採用を見据えた仕様確認へとプロジェクトが進みました。
日本の森林で育った木を、海外の空間で実際に選ばれる商品へ。国産材に新しい海外需要をつくる事業が、具体的な商品と商談を伴って動き始めました。

構想を、次の判断へ。
市場も用途もまだ決まっていない段階から相談できます。いまある技術・資産・条件を起点に、何を確かめるべきかから整理します。
